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はじめに
採血患者および採血管の間違え防止対策として,三重大学医学部附属病院(以下,当院)においてもバーコードを利用した患者認証システムを運用してきたが,近年RFID(radio frequency identification)を用いた検体情報統括管理システム(Technomedica RFID Process control System:TRIPS)を導入する施設が増えている1〜3).
RFIDは,ユビキタス社会の実現,高度情報サービスのツールとして期待される自動認識技術の1つである.業務改善やセキュリティー対策を実現するツールとして導入が加速している.RFID技術の発展や製品展開は目覚しく,製造,物流,小売り,サービス,交通などのさまざまな分野で,また個体識別,トレーサビリティ,環境への対応といった業務用途で重要な役割を担いつつある.バーコードのようにスキャナーを正確に当てる必要がなく,一つ一つスキャンする必要もない.また一度の読み取りで複数のICタグを認識できる特徴がある.
当院では,外来棟移転時の2015年5月から医療安全性(採血患者および採血管の間違え防止対策)の向上,業務の効率化を目的としてRFIDを用いたTRIPSを中央採血室,検体検査室に導入した.導入効果が認められたことから,2016年2月からは,5部署の病棟にRFIDラベルプリンタとTRIPSを先行導入し,医療情報システム更新時の2017年1月からは全ての病棟(14部署)と救急外来にRFIDラベルプリンタとRFIDリーダー:iPod touch(RFID付き),RFID付きリストバンドを導入したので運用状況と効果について述べる.
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