増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説
Ⅳ 採血合併症と予防・対応法
採血の裁判例—損害賠償責任の根拠と手技上の過失に係る裁判例の概要
前田 正一
1,2,3,4
1慶應義塾大学大学院
2慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科医療マネジメント学分野公衆衛生学分野
3慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
4慶應義塾大学SFC研究所医療倫理・医療安全教育研究・ラボ
pp.302-305
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207924
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はじめに
過去の医療裁判例を概観すると,採血を受けた者(患者や健康診断の受診者)が,採血の行為に過失があり,それによって損害が生じたとして,穿刺者(臨床検査技師等)や医療法人等を被告として,損害賠償を求める民事訴訟を提起した事案はこれまでに10件以上存在することがわかる.
そこで本稿では,上記の採血に係る損害賠償責任の根拠について示した上で,本誌の主たる読者である臨床検査技師が穿刺者であった裁判例(手技上の過失に係る裁判例)の概要を示す.
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