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はじめに
病院機能を評価する第三者機関はいくつかある.公益財団法人日本医療機能評価機構や米国の病院機能評価機構である医療施設認定合同機構(Joint Commission:JC),国際的な審査を行う国際病院評価機構(Joint Commission International:JCI)などあるが,いずれも審査機関を認定する“医療の質に関する国際学会(International Society for Quality in Health Care:ISQua)”により認定された審査機関である.JCIは基準を設けて審査をすると同時に,医療サービスの質・安全性・効率性の向上を支援する目的に,国際的認証プログラムやアセスメントツールの提供も行う.2019年8月17日時点で,世界72カ国で1,090の病院が認証を取得し1),日本では28病院が取得している.しかしアジアでは中国103,タイ67,インドネシア31,韓国24,シンガポール21,マレーシア13,台湾13,フィリピン5,ベトナム4,香港1施設が認定されており,必ずしも日本が多いとはいえない.当院は当時,国際支援室を作るなど外国籍患者を受け入れる環境整備を始めたばかりであり,JCI受審と同時期に“外国人患者受入れ医療機関認証制度(Japan Medical Service Accreditation for International Patients:JMIP)”受審など,医療グローバル化に対応し,より厳しい国際的な客観的視点からの審査にチャレンジすることを通して,当院自体の医療の質を向上させたいと考えていた.2015年12月に初回認証を,2018年12月に2回目の認証を受けた.筆者は医療の質の改善および患者の安全(quality improvement and patient safety:QPS)リーダーという立場で審査にかかわった.本稿では,その経験からJCI審査を通して学んだことを述べてみたい.
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