書評
細胞診を学ぶ人のために 第6版
佐藤 之俊
1
1北里大・呼吸器外科学
pp.1403
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207840
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
説得力のあるスケッチで細胞所見の特徴を的確に捉えられる
『細胞診を学ぶ人のために 第6版』が上梓された.1990年6月の初版第1刷から29年という年月が過ぎ,第5版の上梓からも8年経った.まず,細胞診従事者でこの本を知らないものはいないと言って過言ではないと思う.かくいう私も細胞診専門医の資格を持とうと決めた時にこの本を購入した.それも記念すべき初版第1刷であり,この本のおかげで細胞診専門医になることができたと感謝するとともに,第6版を拝読し,細胞診に従事した自らの年月を振り返る貴重な機会をいただいた.初版は現在も座右の書として大切にしている.
今回の第6版は初版より100ページも増加しており,内容がますます充実した.編集の坂本穆彦先生が第6版の序で書かれているように,本書では細胞診や病理診断を取り巻く新しい動向が盛り込まれている.特に液状処理法やOn-site cytologyなどがその一例であり,さらに,免疫細胞化学的染色の進歩にも対応している.また,各分野の細胞診の報告様式(国際あるいは国内の)が次々と公にされており,それに即した記載や紹介もなされている.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.