書評
細胞診を学ぶ人のために 第5版
畠山 重春
1
1サイパソリサーチセンター
pp.547
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100451
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細胞診を学ぶ“最初の一歩”に,細胞の見方を“再確認”するのに最良の書
『細胞診を学ぶ人のために 第5版』〈通称“学ぶ君”〉が,初版の発売された1990年からおよそ21年目となる今年,刊行された.本書は20年以上続くロングセラーである.約20年の間に何人の細胞診をめざす技師,医師が“学ぶ君”の世話になったのであろうか.
この第5版では新たな執筆陣も多く加わり,まさに時代の流れとともに細胞診への応用範囲が多岐にわたることを裏付ける陣容となっている.目次を見て,細胞診の概論(第1章)に始まり,細胞の基本構造,基礎組織学,病理組織学分野と続き,その後の標本作製法や染色法,顕微鏡操作法,およびスクリーニング技術までの総論部分すべてが,細胞検査士ではなく細胞診専門医が執筆担当していることにふと気付いた.これには若干の戸惑いを覚えたが,興味を引いたのは免疫染色の記述である.細胞診においても免疫染色の応用が不可欠になっている現状に対応し,抗体の入手と保存に関する注意までが細やかに記され,免疫染色を試みる初心者の陥りやすい基本的事項までもが簡潔に記載されている.細胞検査士資格認定試験,あるいは細胞診専門医試験に挑む者にとっては確かに“学ぶ君”である.
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