Laboratory Practice 〈生理〉
経験を通して学んだBrugada症候群の対応
徳永 実紗
1
,
石山 恵
1
,
久保山 美奈子
1
,
石川 未希
1
,
光井 朋子
1
,
白井 和之
1
1福岡大学筑紫病院臨床検査部
pp.162-166
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207488
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はじめに
Brugada症候群は,1992年にBrugadaらによって報告された疾患で,明らかな器質的基礎疾患を認めず,心室細動をきたし突然死にいたる可能性のある疾患である1).右側胸部誘導V1〜V3におけるcoved型またはsaddle-back型ST上昇を伴う右脚ブロックパターンの心電図波形が,本症候群の診断に重要である.この典型的心電図所見は副交感神経刺激により著明になり,交感神経刺激によって正常化するため2),日内変動および日差変動があり,夜間就眠時や早朝,食後に不整脈発作が多く発生する.よって,常に典型的心電図波形を示しているとは限らず,時には正常化しているため本症候群を見逃してしまう可能性がある.また,失神発作を起こした症例では,発作前の心電図が記録されているものは少ない.
今回筆者らは,発作前や発作時の心電図を含め,臨床経過を通して多様な心電図変化を記録することができた症例を経験したため報告する.
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