増刊号 循環器病院の技師が教える メディカルスタッフのための心電図教室
はじめに
葉山 恵津子
1
1心臓血管研究所付属病院 臨床検査室
pp.900
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206941
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心電図検査は不整脈や循環器疾患の診断には欠かせない検査法です.そして,検査室以外の医療現場でも記録されたり,モニター心電図として利用されたりして,実に多くの医療従事者(メディカルスタッフ)がかかわる検査法でもあります.心電図を読めるようになりたい! とれるようになりたい! もっと興味を持ちたい! というのはごく自然な想いです.私たち臨床検査技師がその手助けをできないかとずっと考えてきました.
そこで,心臓血管研究所付属病院では,「新人ナースを対象にした心電図研修の一貫性のあるプログラム作り」と題して,臨床検査室が主体となった心電図の勉強会を2012年4月から月1回ペースで開始しました.看護師は「救急搬送された患者の最初の心電図をとる」,「手術室や心臓カテーテル室での治療を終えた患者の心電図を定期的にとる」,「ペースメーカ植え込み直後に病棟で継続してモニター心電図をとる」など,検査室では普段見ることができない心電図を多くとっています.心電図をとる場面が違うと心電図の見方も異なり,想像していなかった質問を受けることが多くありました.患者に直接接する,そんな看護師の視点から見た心電図は他のメディカルスタッフにとっても大切な視点で,細かいところにとらわれてはいけないということをあらためて学びました.
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