連載 生理検査のアーチファクト・6
—心電図①—心室頻拍と誤認識した運動負荷心電図
長山 医
1
1心臓血管研究所付属病院臨床検査室
pp.781-783
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206905
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心電図のアーチファクトとは
心電図のアーチファクトは①筋電図,②基線の動揺,③交流障害の大きく3つに分けられる(表1).アーチファクトは“人工産物”であり,①と②の多くは患者側に発生要因があり,③に関しては検査者側に主な発生要因が存在する.近年は,機器の進歩により以前に比べてアーチファクトの出現(特に交流障害)が減ってはいるものの,原因を把握しておくことで早急な対応が可能になる.アーチファクトが出現すると,必要な情報が見えなくなる,間違った情報になるという2点に注意しなくてはならない.最悪の場合は医療事故につながる可能性があるので,危険なことだと認識してほしい.
今回から5回にわたり,心電図検査のアーチファクトについて紹介する.第1回目は,心電図に関係する検査種別のなかでアーチファクトが発生する頻度が最も高い,運動負荷心電図を提示する.今回の症例も含め,アーチファクトについていろいろ考えていただければと思う.
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