特集 エキスパートに学ぶ 知っておきたい心電図診断のコツと落とし穴
特殊心電図
運動負荷心電図
上嶋 健治
1
1京都大学医学部附属病院相談支援センター
pp.324-331
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200487
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Point
・運動負荷心電図の目的は,①虚血性心疾患の診断,②虚血性心疾患の重症度評価,③心筋虚血への治療効果の判定,④運動耐容能の評価,⑤運動が不整脈に及ぼす影響を評価など多岐にわたるが,主たる目的はスクリーニングも含めた虚血性心疾患の診断と重症度評価にある.
・冠動脈疾患へのインターベンション治療の適応決定には,心筋虚血の評価が義務付けられるなか,運動可能な患者にとって,運動負荷心電図は心筋虚血検出の最初のステップである.
・心筋虚血陽性の判定は主にST部分の変化で行うが,U波の変化や不整脈の出現にも注意し,症状や血圧変化など運動から得られた心電図以外の情報も活用することで診断精度が向上し,予後の推測も可能である.
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