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心室頻拍と偽性心室頻拍の見分け方(12誘導心電図編)
中嶋 美保子
1
1公益財団法人心臓血管研究所付属病院臨床検査部
pp.588-591
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206859
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はじめに
心電図検査中,幅広いQRS(wide QRS)の頻脈性不整脈を見たら心室頻拍と考え,緊急性ありと判断し,直ちに医師へ報告するなどの対応をとる.しかし,wide QRSの頻脈性不整脈が全て心室頻拍とは限らない.脚ブロック,心室内変行伝導,WPW(Wolf-Parkinson-White)症候群の上室頻拍でも,wide QRSの頻脈性不整脈がみられる(心室頻拍と心室内変行伝導を伴った上室頻拍を心電図学的特徴から鑑別するには,房室解離の有無,心室捕捉の有無,Brugadaらの鑑別方法,aVRアルゴリズムによる鑑別方法が挙げられる1)).
当院の12誘導心電図とホルター(Holter)心電図,それぞれの症例から,2回に分けて鑑別方法を紹介する.今回は,12誘導心電図でみられた症例を参考に,QRS波の波形の特徴から,心室頻拍と心室内変行伝導を伴った上室頻拍との鑑別方法を紹介する.
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