連載 生理検査のアーチファクト・4
—超音波検査④—“twinkling artifact”(“color comet-tail artifact”)
種村 正
1
1心臓血管研究所付属病院臨床検査室
pp.563-565
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206852
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こんなアーチファクトを知っていますか?
大動脈弁位生体弁の縫合部から漏れているように見えるカラーシグナルは,人工弁周囲逆流でしょうか?(図1)
生体弁のリングの外から漏れているように見えるので,人工弁周囲逆流の可能性があるが,静止画像では判断し難い.そこで,このカラーシグナルの連続波ドプラ波形を示す(図2).連続波ドプラ波形は両方向性の血流パターンであり,収縮期の最高流速は4m/s以上,拡張期の最高流速は約2m/sほどである.したがって,人工弁周囲逆流(大動脈弁逆流)ではないことがわかる.このカラーシグナルを動画で見ると,カラーシグナルがきらきら瞬いているように見えることが特徴的である.このようなアーチファクトは“twinkling artifact”または“color comet-tail artifact”と呼ばれている1).
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