臨床検査のピットフォール
輸血検査:試験管法による凝集判定は,目合わせが大切!
杉本 達哉
1
1東海大学医学部付属病院臨床検査技術科輸血室
pp.164-167
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206756
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輸血検査における試験管法の必要性
近年,輸血検査で自動機器を利用する施設は増加している1).輸血検査自動機器(以下,自動機器)を使用することで,検査試薬の分注ミスを防止したり,検査結果を病院システムへ自動転送することにより,検査過誤防止が期待できる2).また,自動機器の利用により,検査業務の効率化が図られる.さらに,検査精度が向上することで,輸血医療の安全性に寄与することが可能である.
一方,自動機器で全ての検査が完結できるわけではなく,検査結果が判定保留となった場合には,その原因を考え,対処する必要がある.加えて,自動機器のトラブル発生時には,血液型検査など,早急に検査を実施しなくてはならない.このような場合,試験管法を実施し,凝集の判定を行わなければならない.また,検査者間で結果の相違が生じないよう,凝集判定の統一を図ることが重要である.
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