過去問deセルフチェック!
解答と解説
pp.1287
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206702
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多くの臨床検査は自動検査機器を用いて行うことが多く,検査に用いる血漿量,試薬の添加量,および血球濃度,反応時間や温度などの検査条件は一定で行う.しかし,輸血検査は自動検査機器の導入が遅れており,検査技師が用手法で行うことが多い.適正な量や濃度で免疫反応を行わないと,交差適合試験の不適合の見落とし,不規則抗体の未検出,血液型検査のオモテ,ウラ不一致や亜型の見落としの可能性がある.そこで,それぞれの検査に必要な血漿(血清)量,血球濃度,反応条件をしっかり覚えることが必要である.最近,大学病院などの大規模施設では,カラム凝集などの自動検査機器で,血液型検査や不規則抗体検査,さらに交差適合試験を実施している.しかし,自動機器を用いた輸血検査は用手法検査よりも時間を要することが多い.例えば,カラム凝集法の血液型検査は20分程度を要するが,用手法では2〜3分で結果の報告が可能である.
輸血検査は,いつでも迅速な結果報告が必要で,機器メンテナンスや故障時の対応も決めておくことが重要である.例えば,輸血検査の用手法に不慣れの技師の場合は,カラム法などの自動機器での血液型検査が報告されるまでの輸血は,O型赤血球と,AB型新鮮凍結血漿または濃厚血小板を使用するルールを厳守することが,安全な輸血を行ううえで必要である.
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