FOCUS
医療施設における効果的なインフルエンザ感染対策
大石 貴幸
1
1大崎市民病院感染管理部
pp.1142-1145
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206660
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はじめに
インフルエンザは,RNAウイルスであるオルソミクソウイルス科のインフルエンザウイルスが原因となって発症する気道感染症で,感染者の飛沫などを介して感染を受けると,1〜3日間ほどの潜伏期間の後に,通常38℃以上の高熱,頭痛,全身倦怠感,筋肉痛・関節痛などが突然現れ,咳,鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き,約1週間の経過で軽快する感染症である.一般のかぜ症候群とは違って,重症化しやすく,特に高齢者や,慢性疾患患者,小児などでは入院や死亡の危険が増加する.
医療施設はある程度気密性が保たれた環境であり,シーズン中は多くのインフルエンザ感染者が来訪する.そのため,医療施設側は医療従事者や他疾患患者,来訪者をインフルエンザから守る対策を講じ,安心・安全な医療環境を提供する必要がある.本稿では,医療施設における効果的なインフルエンザ感染対策を,最新の知見や筆者の施設での具体的な対応策を交えて紹介する.
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