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Volume 42, Issue 12 （December 2025）

Medical Practice 42巻12号（2025年12月発行）

特集 COVID-19の総括

セミナー　COVID-19診療への具体的アプローチUpdate

医療機関における効果的な感染対策藤倉雄二 ¹ ¹北里大学医学部感染症内科学キーワード： ▶標準予防策に加え，飛沫感染予防策を中心とした経路別予防策の徹底が基本である． , ▶AGPではN95マスク着用と空調管理が重要である． , ▶医療機関では来訪者も含め一律のマスク着用を推奨すべきである． , ▶外来では確定/疑い患者の動線分離と空間的配慮が必要である． , ▶入口への啓発ポスター掲示で患者の自発的申告を促進する． , ▶病室ゾーニングでは清潔と不潔の境界を明確に区別する． , ▶中間ゾーン（イエローゾーン）は干渉エリアとしてのみ使用し，清潔物品の混在を避け，手指衛生を徹底する． , ▶アウトブレイク時は積極的検査と接触者追跡を併用する． , ▶大規模アウトブレイクでは患者間伝播をある程度容認せざるを得ず，スタッフ保護を最優先ポリシーとする． Keyword: ▶標準予防策に加え，飛沫感染予防策を中心とした経路別予防策の徹底が基本である． , ▶AGPではN95マスク着用と空調管理が重要である． , ▶医療機関では来訪者も含め一律のマスク着用を推奨すべきである． , ▶外来では確定/疑い患者の動線分離と空間的配慮が必要である． , ▶入口への啓発ポスター掲示で患者の自発的申告を促進する． , ▶病室ゾーニングでは清潔と不潔の境界を明確に区別する． , ▶中間ゾーン（イエローゾーン）は干渉エリアとしてのみ使用し，清潔物品の混在を避け，手指衛生を徹底する． , ▶アウトブレイク時は積極的検査と接触者追跡を併用する． , ▶大規模アウトブレイクでは患者間伝播をある程度容認せざるを得ず，スタッフ保護を最優先ポリシーとする． pp.1847-1852

発行日 2025年12月1日 Published Date 2025/12/1

DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.12_015

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参考文献

はじめに

　COVID-19の流行は世界中の医療システムに大きな変革をもたらした．感染対策の領域では，標準予防策や経路別予防策，個人防護具personal protective equipment（PPE）着用の徹底が重要視されただけでなく，空間や換気の管理，ゾーニングの考え方などが再認識された．現在，COVID-19が医療従事者にとって「ありふれた（日常よく遭遇する）感染症」となり，重症例の相対的な減少や病原体特性についても理解が深まったことから，各施設の対応にはかつての厳重さはなくなっている．