臨床検査のピットフォール
自動血球計数装置で髄液・体腔液を測定する際のピットフォール
小笠原 篤
1
,
田中 由美子
1
,
宮地 勇人
2
1東海大学医学部付属病院 診療技術部臨床検査技術科
2東海大学医学部付属病院 基盤診療学系臨床検査学
pp.630-633
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206493
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はじめに
髄液や胸水など体腔液の細胞数算定および分画の測定は,従来用手法にて行われてきた.近年,自動血球計数装置の測定に,新たな測定機能として,髄液・体腔液の細胞数算定および分画の測定(体液測定モード)が搭載され,これを利用する施設が増加している1).この背景には,日当直時間帯の緊急検査の項目の拡大において,担当技師のトレーニング負担の軽減や目視法の誤判定の回避策としての利用が挙げられる.しかしながら,体腔液の検体の性状はさまざまで,しばしば測定結果に影響を及ぼす.すなわち,粘調性のある検体,細胞数が著増している検体や上皮細胞が多く含まれている検体などは,正しい結果が得られず,目視法と乖離する.このため,自動血球計数装置を用いた髄液・体腔液の細胞数算定および分画の測定(体液細胞の自動算定)における運用は,各施設で異なっている.
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