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増刊号 血液形態アトラス
Ⅱ部 造血器腫瘍以外
9章 赤血球系
10 マラリア
Malaria
大金 亜弥
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1060-1061
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206214
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マラリアとは,ハマダラカが媒介する急性もしくは慢性の再燃性熱性疾患である.人類の寄生虫感染症の中で最も重要な感染症といわれ,2010年では年間65万人が死亡している.蚊を媒介してヒトに感染したマラリア原虫は,赤血球内で分裂・増殖を繰り返し,36〜72時間の周期で悪寒,戦慄を伴う40℃近い高熱,頭痛,嘔吐などの再燃性発作がみられる.三日熱マラリアが最も一般的だが,次に罹患率の高い熱帯熱マラリアは大脳マラリアの合併など重症化しやすく,死亡率が高いため,早期診断,早期治療が必須である.マラリア流行地への渡航歴があり,一定間隔で発熱発作を繰り返す場合や不明な高熱がみられる患者の場合は,マラリアを疑う必要がある.4種類のマラリアに共通した症状は発熱,脾腫,貧血である.貧血は,造血能を超えて赤血球の破壊が進むと生じる.
●マラリア原虫の種類
①熱帯熱マラリア(Plasmodium falciparum) ②三日熱マラリア(Plasmodium vivax) ③四日熱マラリア(Plasmodium malariae) ④卵形マラリア(Plasmodium ovale)
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