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増刊号 血液形態アトラス
Ⅱ部 造血器腫瘍以外
9章 赤血球系
1 再生不良性貧血(AA)
Aplastic anemia(AA)
吉川 直之
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1042-1043
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206205
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再生不良性貧血(aplastic anemia:AA)は,末梢血の汎血球減少症と骨髄の低形成を特徴とする症候群である.末梢血や骨髄に芽球の増加を認めない(血球減少の基準は→表1参照)1).血球減少の原因となる他の疾患がないことが条件となるため,→表2に挙げられた疾患を鑑別する必要がある.臨床症状としては,貧血に伴う症状(体動時の息切れ,易疲労感など),出血傾向(紫斑,歯肉出血,鼻出血など),好中球減少に伴う易感染性が挙げられる.先天性と後天性がある(→表3)1).
重症度分類(最重症〜軽症まで5段階)に基づき,治療方針を決定する.治療としては,免疫抑制療法(シクロスポリン),蛋白同化ステロイド療法,同種造血幹細胞移植,支持療法〔輸血,G-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)投与,鉄キレート療法など〕などがある.
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