マスターしよう検査技術
抗HTLV-I抗体の検査法
西村 要子
1
,
山口 一成
1
1熊本大学病院輸血部
pp.481-488
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205589
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ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-I)に対する抗体の測定は,成人T細胞白血病(ATL)やHTLV-I関連ミエロパシー(HAM)の臨床診断,母子感染や輸血による感染防止のためのキャリア検出に不可欠である.現在広く検査室に普及している検査法としてゼラチン粒子凝集法(PA),酵素免疫測定法(EIA)があり,確認法として間接蛍光抗体法(IF),ウェスタンブロッティング法(WB)などがある(表1).PA,EIA法は多量の検体を測定できるので,献血者スクリーニングや患者のルチーン検査に常用されているが,前者は低力価での偽陽性,プロゾーンでの見落とし,後者は自己抗体による非特異的反応があり,臨床側に正しく対応するためには一法のみの判断ではきわめて危険であり,IF,WB法での確認を行うことが望ましい.
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