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血液像自動分析装置を用いてのアレルギー疾患の診断
浦野 順文
1
1神大病理
pp.563
発行日 1981年7月1日
Published Date 1981/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205341
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アレルギー反応の発生には,あるアレルゲンに特異的なIgEの産生,このIgEが好塩基球あるいは肥満細胞に固定され,これにアレルゲンが反応して脱顆粒を起こし,この顆粒からヒスタミン,セロトニンなどが分泌され,標的臓器の皮膚の血管や気管支に作用して,蕁麻疹や喘息などを起こす.原因は薬剤,食物,花粉など多岐にわたる.想定されるアレルゲンによる皮内反応は,この最終の反応過程を観察していることになる.これは時には危険を伴う.またあるアレルゲンに特異的なIgEは常に十分に検出さるれほど十分にあるわけではない.
アレルギー疾患の因となるアレルゲンの検出には,アレルギー反応の発生の一過程である好塩基球の脱顆粒に注目して,これをin vitroで行う方法があり,古くより知られている,現在種々のアレルゲンはキットとして販売されており,診断上この方法は有力ではあるが,決して簡便ではない.
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