知っておきたい検査機器
ベクトル心電計
森 博愛
1
,
中屋 豊
2
,
寿満 裕司
2
,
高橋 学
2
,
安宅 芳夫
2
1徳島大学第二内科
2徳島大学医学部第二内科
pp.420-423
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205324
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1.ベクトル心電図とは1)
ベクトル心電図法とは,1936年ドイツのSchellongにより初めて臨床に導入された方法で,心起電力の変化を立体的に表現するために考案された.心臓は立体的な構造物であるから,その興奮により作られる電気変化も当然立体的に変動する.
一般に,大きさのみを持つ力学的な量をスカラーといい,大きさと方向を持つ力学的量をベクトルという.通常の心電図は,振幅の経時変化の記録であり,大きさのみを持っているからスカラー心電図と呼ばれる.これに対し,ベクトル心電図では,大きさと方向が表現されている.
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