技術講座 血清
ELISAによるATL抗体の測定法
杉本 英弘
1
,
橋本 儀一
1
,
森河 淨
1
,
黒田 満彦
1
1福井医科大学附属病院検査部
pp.1589-1593
発行日 1989年12月1日
Published Date 1989/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205275
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サマリー
酵素抗体法(enzyme linked immunosorbent assay;ELISA法)は,受身凝集法(passive agglutination;PA法)とともに,成人T細胞白血病関連抗原(adult T-cell leukemia associated antigen;ATLA)に対する抗体を検出するスクリーニングとして広く用いられている.ELISA法はATLA抗原成分を吸着したマイクロカップ内での免疫酵素反応を利用した測定法であり,約3時間で測定が終了する.本法の特長は,多数の検体の処理ができ,測定が比較的容易な操作のみであり,判定に熟練性を必要としないなど,実用的な点にある.しかし,本法で検出できるのはIgG型ATLA抗体であり,感染初期に出現するIgM型抗体が検出できない1)点に問題がある.また,自己抗体陽性検体では,非特異的に偽陽性を呈することもあるので,定性試験で陽性の検体については,特異性確認試験,さらにはウェスタンブロット法(WB法)などによる詰めが必要となる.
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