Japanese
English
症例報告
表皮穿孔性弾力線維症を伴った弾力線維性仮性黄色腫の長期観察例
A Case of Pseudoxanthoma Elasticum with Elastosis Perforans Serpiginosa Observed for a Long Time
渡辺 久代
1
,
柳原 誠
1
,
森 俊二
1
Hisayo WATANABE
1
,
Makoto YANAGIHARA
1
,
Shunji MORI
1
1岐阜大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gifu University School of Medicine
キーワード:
弾力線維性仮性黄色腫
,
表皮穿孔性弾力線維症
Keyword:
弾力線維性仮性黄色腫
,
表皮穿孔性弾力線維症
pp.1173-1176
発行日 1990年11月1日
Published Date 1990/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900226
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21歳の男性で,8歳頃から頸部に弾力線維性仮性黄色腫(pseudoxanthomaelasticum,以下PXEと略す)の皮疹を認め,初診の約8ヵ月前から同部に表皮穿孔性弾力線維症(elastosis perforans serpiginosa,以下EPSと略す),すなわち病理組織学的には変性した弾力線維のtransepidermal eliminationを生じた症例を報告した.眼科的にも血管様線条と梨地状眼底を認めた.なお,この患者は6歳時に腹部にPXEの皮疹を生じており,生検により同部にCaの沈着と変性した弾力線維とそれを貪食している異物巨細胞の像をすでに認めていた.当時は眼科的には異常を認めなかった.この腹部のPXEの皮疹は21歳時には臨床上はほとんど軽快していた.PXEの一患者を,発症時と発症から約15年の期間を経て観察する機会を得たので報告し,EPSの成因についても若干の文献的考察を加えた.
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