感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論
[5]培養法
A 検体別培養法
2)尿
餅田 親子
1
1長崎大学医学部附属病院検査部
pp.735-740
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205032
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
尿の培養検査は尿路感染症診断のための細菌尿の証明にきわめて重要な検査である.1957年,KassやMac-Donaldが細菌尿について提唱1,2)したように,尿道常在菌の汚染を極力避けて採取された尿から105CFU/ml以上の細菌が検出されたとき,その細菌を起炎菌とする尿路感染症の診断が成立する.尿路感染症の感染経路はその大部分が尿道からの上行性感染であり,起炎菌としては陰部あるいは腸管内常在菌が重要な役割を果たしている.したがって,中間尿の培養は定量培養法を実施したほうが臨床的意義づけが容易である.尿の採取および検査を開始するまでの過程において,尿中における汚染菌の増殖には十分な配慮が必要である.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.