免疫化学検査 わだい
成績管理の実際
溝口 香代子
1
1慶応義塾大学病院中央臨床検査部
pp.787
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204597
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免疫化学反応の検出はラジオイムノアッセイ(RIA)においては放射能の計測であり,エンザイムイムノアッセイ(EIA)や各種凝集反応を用いたものでは測光(蛍光)分析であるが,抗原抗体反応を利用しているために一般的な化学反応の理論がそのまま使用できない.根本的な相違点は①検量線が非線形である(直線でない)ことと,②抗原抗体反応固有の変動要因が化学反応系に比べて測定系内に多く存在することである.そのため免疫化学検査の成績管理は,化学検査における精度・成績管理の方法に若干のくふうを加えたものが必要になる.一度に大量の検査をこなし,分析と管理を別途に行っている検査センターなどでは,コンピューターを駆使してさまざまの管理方法を実施しているが1〜3),ここでは化学検査における精度管理方法に検量線の扱いや各種変動要因のチェック方法などを加えて,ごく一般的に検査室で実施できる成績管理の実際をまとめてみた.
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