検査技師のためのME講座 計測器・15
フローサイトメーター
杉下 匡
1
1佐々木研究所附属杏雲堂病院婦人科
pp.1051-1054
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204245
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
特に生物学の分野で,細胞を分析する際に固定した細胞を画像として物理的に処理するimagesystemに対して,液体とともに流動的な状態の細胞を分析するflow-systemがある.近代fiow-systemの開祖は,1956年W. H. Coulterが高速で血液中の血球を算定する方法を発表したことに始まる.その当時,この種の機械はSanborn-FrommerとVickersの2種類であった.現在ではflow-cytometer(FCM)として発展を遂げ,米国ではOrtho-Instruments社製のcytofiuorograf,とBecton-Dickinson社製のFACS,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ型などがあり,国内では日本分光製FCS-I,FCM-IDと昭和電工製のCS-20などがある.
今日わが国には国外の機種を合わせて300台以上があるといわれている.多くは病院の検査室や大学の研究室に設置されており,大半がそれらの機械を十分に使いこなしていないと聞く.その原因としては,機械が高価なため限られた人のみの物となり,広く多くの人々に普及しないこと,また,操作が煩雑なため特定の専任者のみのものとなること,などが挙げられる.しかも,データの解析に熟練を要することも,その一因である.FCMの勉強には年1回開かれているFCM・Cell Biology研究会がよい.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.