今月の主題 カルシウム
カラーグラフ
脱灰法
清野 和夫
1
,
畠山 茂
1
1東京医科歯科大学歯学部口腔病理学教室
pp.488-490
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912560
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組織の脱灰に用いられる硝酸法は,古典的な方法であるが,今も技術書に書いてあり汎(はん)用されている.有機酸を使用する方法もよく使われているが,脱灰液に長く入れすぎて,硝酸法と同様に核染色の不良な標本を作ってしまうきらいがある.また,事前の十分な固定と脱脂も軽視されがちである.その他,キレート剤を使う方法は,コストと手間とがかかり,電気分解法では酸と熱上昇とによる組織障害に問題がある.
ここに紹介する方法はPlank & Rychloの迅速法を低温で行うもので,安定した鮮明な染色結果が得られ,骨および骨髄のGiemsa染色にも十分耐えうる.筆者の一人の清野が考案し,そのルーチン化に努力してきた方法である.
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