技術講座 生化学
アポ蛋白の定量法
谷口 孝治
1
,
副島 尚子
1
1久留米大学医学部内分泌代謝内科学講座
pp.774-778
発行日 1986年6月1日
Published Date 1986/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203759
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血清脂質は水に不溶性であるため,蛋白質と複合体を形成し,いわゆるリポ蛋白として血中に存在している.この蛋白質部分を特にアポ蛋白と呼び,現在までに十数種類のアポ蛋白が分析されている.アポ蛋白の機能に関しては,その分析法の著しい進歩に伴い,かなり明確になってきており,アポ蛋白異常が原因となる高脂血症も数多く報告されている.
アポ蛋白測定の臨床的意義については議論の多いところであるが,脂質代謝をアポ蛋白の面から検討することで潜在的な高脂血症や非典型的な高リポ蛋白血症をとらえることができ,アポ蛋白の分析は動脈硬化を研究するうえで不可欠のものとなってきている1).
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.