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プロテインA
伊藤 忠一
1
1岩手医科大学臨床検査医学
pp.356-357
発行日 1986年4月1日
Published Date 1986/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203635
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1.プロテインA(Protein A)とは
プロテインAとはStaphylococcus aureusの細胞膜から単離された蛋白である.本物質に関する最初の報告はVerwey(1940)によってなされたものである.彼はStaphylococcus由来の型特異性を示す物質として報告したが,当時ほとんど注目されることはなかった.約20年後の1959年にJensenが再び本物質を単離した.彼は本物質を細胞壁由来の多糖体成分であると考え正常動物血清にこれと反応する抗体様物質の存在することからA抗原(antigen A)と命名した.もちろん後になってA抗原と抗体様物質との反応は免疫学的に特異性を有する反応ではないということが判明している.
1963年に至りLöfkuistおよびSjöguistはStaphylococcusを機械的に破壊した後,沈殿,ゲル濾過,電気泳動などの方法を組み合わせてantigen Aを単離精製し,本物質は多糖体ではなく蛋白であることを証明した.翌年,GrovらはこれにプロテインAの名を冠し,それが現在まで引き継がれている.
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