検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
癌関連糖鎖抗原(CA19-9)とLewis抗原との関係
越智 幸男
1
,
芋川 実
2
1滋賀医科大学検査部
2滋賀医科大学
pp.211-215
発行日 1986年3月1日
Published Date 1986/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203594
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近年,モノクローナル抗体による新しい腫瘍マーカーが続々と登場し,注目を浴びている.まず,CA19-9,次いでCA12-5,さらにCA15-3やCA-50などが臨床的に汎用されてきている.これらは厳密な意味での腫瘍特異抗原(tumor specific antigen;TSA)ではなく,正常組織に存在する物質が腫瘍時に増量するので,腫瘍関連抗原(tumor associated antigen;TAA)と総称されている.
担癌生体の糖鎖は,箱守らによって未熟構造をもつ糖鎖構造の糖蛋白や糖脂質の増量が特徴であること(いわゆる糖鎖不全説)が発表されたが,その後,担癌時の糖鎖は非常に多様性を示すことが明らかにされた.このように,担癌生体における糖鎖の重要性は古くから注目されていたのである.
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