今月の主題 サイトカインと造血因子
技術解説
コロニー刺激因子(CSF)
岡部 哲郎
1
,
朴 雲峰
1
,
桔梗 伸明
1
Tetsuro OKABE
1
,
Unhou BOKU
1
,
Nobuaki KIKYO
1
1東京大学医学部第三内科学教室
キーワード:
白血球
,
骨髄
,
増殖因子
,
炎症
,
癌の化学療法
Keyword:
白血球
,
骨髄
,
増殖因子
,
炎症
,
癌の化学療法
pp.489-493
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900584
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顆粒球やマクロファージは,感染防御の最前線で細菌の侵入を防ぐという大きな役割を果たしている.コロニー刺激因子(CSF)と呼ばれる液性因子がその産生を調節している.CSFにはmulti-CSF,GM-CSF,G-CSF,M-CSFと4種類あり,それぞれG (granulocyte),M (macrophage)または両者の増殖や機能を調節している.これらのCSFは細菌やウイルスなどの感染症の病巣が形成されていく過程で,好中球やマクロファージを病巣へ動員したり,活性化して細菌を殺させたり,感染に対する生体反応を制御していると考えられる.また,感染の後期には特異的な免疫反応によるT―リンホカインとして活性化T細胞より産生され,その免疫反応をコントロールしている.またさまざまな炎症性疾患でも同様に病巣形成や免疫反応に関与している.
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