技術講座 生理
生体電気現象のとらえ方3—生体用増幅器
松尾 正之
1
1東北大学工学部電子工学
pp.444-448
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203342
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検流計の信号電力の分解能は,その原理上,空気分子およびコイルの巻線抵抗の自由電子の熱力学的エネルギーで定まるので,最高級の高感度の直流増幅器と考えられる.しかし検流計は応答速度が遅く,電流計であるので入力抵抗が低く,かつ機械振動に対して弱い,という欠点がある.したがってEinthovenの単線検流計は,より高入力抵抗高感度かつ応答の速い真空管増幅器の出現とともに,その主役の座を明け渡すようになった.現在ではその真空管もトランジスタ,次いでICに取って替わられている.本稿では生体用増幅器(biological amplifier)の歩みについて顧みるとともに,その問題点について述べよう.
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