検査を築いた人びと
アレルギー反応を診断に応用した クレマン・フォン・ピルケ
酒井 シヅ
1
1順天堂大学医史学
pp.326
発行日 1985年4月1日
Published Date 1985/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203309
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アレルギーという言葉は日常的に使われているが,この意味を『広辞苑』は次のように記す.「種々な物質の注射・摂取などにより抗体を産出したために体質が変化して,その物質に対し異常に過敏な反応を呈するに至ること.……」
このアレルギーなる言葉を造ったのが,クレマン・フォン・ピルケ(1874〜1929)であった.ピルケは1900年にグラーツ大学を卒業して小児科医となったが,学生時代からの友人にB.シック(1877〜1967)がいた.二人は共に小児科のエッシェリッチ教授の下に入局したが,ほどなく教授がウィーン大学に栄転したため,あとを追ってウィーンに移り住んだ.
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