検査技師のためのME講座 自分でできる機器のチェック・2
採取容量
近藤 光
1
1浜松医科大学病院中央検査部
pp.199-201
発行日 1985年2月1日
Published Date 1985/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203277
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現在,臨床検査の分野では多種多様の自動分析装置が導入され,日常検査に威力を発揮している.しかし,これらの装置を一定の状態に管理するためにはいろいろな点検箇所があり,その点検の有無が事故とつながる.その事故の一つとして,ピペッター部分のピストンの摩耗,血清中の蛋白質のこびりつき,酸やアルカリによるピペッター内部の変化などにより,サンプル採取容量に相違が生じていることがある.このためサンプル採取容量の検定が必要となる.
一方,臨床化学の分野では分子吸光係数を用いた酵素活性測定のように検体採取容量の正確度,精密度が要求される自動分析装置もある.一般に採取容量の検定法は,水,水銀などを用いる重量法1)が基本であるが,自動分析装置ではサンプルを希釈液,試薬で共洗いし排出する形式が多いため,この検定法を用いることは不可能である.そこで色素を希釈して採取容量を求める色素希釈法を使用すれば,採取容量の正確度の点検は可能となる.色素希釈法に使用する色素にはエバンスブルー2),インドシアニングリーン(ICG),フェリシアン化カリウムなどがあるが,筆者らの検討3)では廃液処理などに問題はあるもののフェリシアン化カリウムが最適であった.
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