検査を築いた人びと
フォリンとのコンビで生化学的測定法を開発した ウー・シェン
深瀬 泰旦
1
1順天堂大学医史学
pp.132
発行日 1985年2月1日
Published Date 1985/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203257
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昨年12月号で紹介したオットー・フォリンとのコンビで,総クレアチニン,尿酸,尿素,血糖などの測定法にその名がみえるウーは,若いときからアメリカで名声を博していた中国の生化学者,栄養学者である.フォリンとウーは,生化学の分野では一対としてよく耳にする名前である.
ウー・シェン(呉憲)は1893年11月24日,中国福建省の福州で生まれた.6歳のときから家庭教師について中国の古典を学び始め,のちアメリカに渡って,1911年にマサチューセッツ工科大学の造船学科に入学した.初めての夏季休暇をニューイングランドの農場で過ごしているとき,T.H.ハクスリーの『生命の物理学的基礎』を読んで,生物学の新しい天地に魅惑されて,専攻を化学と生物学に変更してしまった.次いでハーバード大学に移り,フォリンのもとで生化学の研究に従事した.
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