病気のはなし
ウェルニッケ脳症
中沢 恒幸
1
,
小渡 敬
2
1藤田学園保健衛生大学精神神経科
2藤田学園保健衛生大学精神神経科教室
pp.1058-1062
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203205
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ウェルニッケ脳症とは
1881年Carl Wernickeが最初に報告した疾患で,Wernicke encephalopathyまたはその病理所見からpolioencephalitis hemorragica superior(上部出血性灰白質炎)とも呼ばれている.というのは図1でみられるように,小出血(H),神経細胞のクロマトリーシス(chromatolysis;CH.ニューロンの変性過程でニッスル小体が消失,核が偏在し細胞体自体が膨脹,やがて崩壊する),アストログリアのグリオーシス(astrogliosis;G.ニューロンが障害されると反応的にアストログリアが増殖,その過程でグリアはニューロンの再生を促進する蛋白を分泌し,またグリア細胞体内にグリコーゲン顆粒を貯える)などの所見が顕微鏡下に存在するからである.
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