検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
アレルギー反応2—Ⅱ型
河野 通史
1
,
松山 隆治
1
,
宮田 亮
1
1市立札幌病院第三内科
pp.977-982
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203181
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この反応は,標的細胞や細胞表面に存在する抗原に抗体(IgGあるいはIgM抗体)が結合することにより,その細胞が補体,食細胞あるいはキラー細胞(K cell)などから障害を受けるものである(図1).
抗原に抗体が反応すると,その抗体が補体結合性であれば補体の活性化が起こり,C3レセプターを介して貧食を受けやすくなったり,C5b-9複合体による膜侵襲により細胞の溶解を招いたりする.このとき補体の活性化には,抗原が細胞の場合にはIgM抗体であれば1分子,IgG抗体であれば抗原膜上に隣接して結合した場合でも抗体が最低2分子,それぞれ必要とされる.一方,補体が結合しなくても,主に抗体のFc部分のもつ生物活性により貧食されたり,FcレセプターをもつK cellにより非特異的に溶解されたりして障害を受ける場合もある.K cellによるこの現象は,抗体依存性細胞障害(antibody dependent cell-mediated cytotoxicity;ADCC)と呼ばれる.
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