マスターしよう基本操作
TPHAテスト
飯田 悦夫
1
,
安藤 善孝
1
,
田村 䪸子
1
1名古屋大学病院検査部
pp.921-928
発行日 1984年10月1日
Published Date 1984/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203170
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近年,臨床検査の進歩とともに検査の微量化が推進され,免疫血清検査領域においても,マイクロ法によって,多くの検査項目が測定可能になってきた.梅毒の診断に利用されるTPHAテストも,全国的にはマクロ法39.0%,マイクロ法61.0%1)と,マイクロ法が多く採用されてきている.マイクロ法の利点として,①被検体ならびに試薬類が少量ですむこと,②1枚のマイクロプレートで多数の検体を短時間に測定できること,③ピペット操作が少ないので被検体からの感染の危険が少ないこと,などが挙げられる.しかし,この便利なマイクロ法も液量が微量なため,意外なところに落とし穴があることに留意しなければいけない.
図1は1983年度の日本臨床衛生検査技師会血清検査研究班のTPHAテストマイクロ法コントロールサーベイの集計成績1)である.640倍にピークを示すものの抗体価は,80〜10,240倍と広範囲にわたって分布していることがわかる.この原因として,マイクロプレートの材質,マイクロピペットの滴下量,ダイリューターの持ち越し量,判定基準などの各ファクターが絡み合ったことが考えられる.
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