検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
抗生物質の作用メカニズムと耐性獲得2—テトラサイクリン剤
佐竹 幸子
1
,
橋本 一
2
1群馬大学医学部微生物学教室
2群馬大学微生物学
pp.793-797
発行日 1984年9月1日
Published Date 1984/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203132
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テトラサイクリン系抗生物質の歴史と特徴
1948年,DuggarによってStreptomyces aureofaciensの培養濾液からクロールテトラサイクリン(CTC)が発見された.これがテトラサイクリン系抗生物質の中では最初のものである.次いで,1950年にFinlayによってStreptomyces rimosusからオキシテトラサイクリン(OTC)が発見された.1953年,StephenらはCTCからテトラサイクリンを作った.その後,さらに抗菌力を増強するために側鎖を改良して,ドキシサイクリン(DOXY)やミノサイクリン(MINO)が作られた(表,図1).これらの薬剤をテトラサイクリン系抗生物質(TCs)と呼んでいる.TCsはグラム陽性菌,グラム陰性菌,嫌気性菌などの細菌のみならず,リケッチア,クラミジア,マイコプラズマにも有効であり,抗菌スペクトラムが極めて広い.
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