私たちの本棚
—徳永 進 著—らいを病んだ故郷の人たち—隔離
浅井 富美子
1
1鳥取県立中央病院中検
pp.1076
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202919
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徳永進(日赤医師)の「隔離」を書店でみつけた.さきに「死の中の笑み」で徳永先生を知っていたので,引きつけられるように手にした.
この本は,徳永先生が故郷(鳥取)の40人のらいを病んだ人々をたずね,その人たちがたとえどのように故郷から隔離され,社会からすてられたとしても"少なくとも彼らの話すところは隔離できない"という姿勢で,これらの人々の生きざまを暖かい人間愛の心をうちにひめながら,それぞれに語らせている.フィクションでなく真実であるだけに,この本にでてくる人々の淡々と語るひとことひとことが読む人の心をうつ.
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