招待席
徳永進—“下町ホスピス”はじめました—解放区で自由な最期を支えたい
永見 瑠美子
1
,
徳永 進
2
1鳥取大学医学部保健学科
2野の花診療所
pp.693-697
発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904012
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——先生とは鳥取赤十字病院時代に3年間同じ病棟でお仕事させていただきました.当時は臓器中心,検査中心の医療が主流の時代でしたが,先生は患者さんの暮らしをきちんとみている,そういう点でユニークな先生だと思っていました.あれから20年以上が経ちますが,高校生のころからの夢だったという町のホスピス「野の花診療所」をスタートされて,いまどんなことを感じていらっしゃいますか.
徳永 ここを開業してから,家で亡くなる人をみさせてもらっているんですが,やっぱり家っていいですね.家は昔から,そこで生むのも自由,死ぬのも自由,病んで過ごすのも自由.どんな家でも家は解放区です.そこに住む人にふさわしい空間がそれぞれの家にありますね.家に行って,ここはどんな空聞かなと思ってみさせてもらってそこでやりとりしていると,“そこにいる人風(ふう)”のものができるんです.
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