けんさアラカルト
免疫電気泳動写真撮影技術の改良
及川 信次
1
,
菊池 伸一
2
,
上野 康夫
2
,
小池 堯子
1
,
大場 操児
1
1獨協医科大学病院中央臨床検査科
2獨協医科大学病院フォトセンター
pp.1047-1048
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202913
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免疫電気泳動(IEP)後の写真撮影は,寒天ゲル内の沈降線を脱蛋白後染色し,湿った状態で寒天板を撮影する方法と,染色した寒天板を写真用引伸器でフィルムにすることなく直接焼付する方法1)などがある.当院では,市販のイムノビュアを用いて,泳動後の寒天ゲルの表面を染色操作せず,噴水ビンで生理食塩水を噴射させ,ゴミを洗浄したのち,溝に生食を満たし,無染色のまま,写真撮影をしている.しかし,市販のイムノビュアは光源の調整が難しく,良好な写真が得られなかった(図1).われわれは,黒田らの方法2)にヒントを得て行ったところ,従来より満足できる写真(図2)が得られたのでその撮影法を報告する.
撮影機は,カメラがオリンパスOM1,フィルムがフジミニコピーフィルムを使用,表1の条件で撮影した.改良法の自家製ボックス(図3)は厚紙を用い,190×190×125mmの直方体で,上面中央に70×110mm,縦側面は底辺より5mm上部に36×170mm,横側面は底辺より20mm上部に36×170mmの採光用開口部をもうけ,黒色のペンキを塗った.この自家製ボックスをライトボックス中央にセットして改良法の条件で撮影したが,やや光量不足のうえ,側面開口部に光を集束させるため,アルブミン側とグロブリン側を白紙で覆い撮影した(図4).絞りは,最大開口部(F=3.5)で良好であった.
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