トピックス
検査室におけるマイコン利用の仕方,考え方
向島 達
1
1国立がんセンター臨床検査部
pp.372
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202745
- 有料閲覧
- 文献概要
マイクロコンピュータ(マイコン)は単一の機能をする素子から,今日我々が頭に描く主演算装置-ディスプレイ・プリンター(外部記憶装置:例えばフロッピィ・ディスク)を伴った機器までがあげられる.そして,各種臨床検査機器の自動演算部分には必ずマイコンが組み入れられ,すでに我々は知らないうちにマイコンを利用していることになっている.今回の主題でのマイコンは,各種分析機器と独立で機能し,主演算装置(CPU),ディスプレイ(CRT),プリンター,外部記憶装置(フロッピィ・ディスクなど)を有し,基本的なインターフェイス(RS 232C)などを有するものを指すとして,臨床検査におけるマイコン利用法を述べてみたい.このような機種は1978年ころから出現し,その後1〜2年の間隔でモデルチェンジし,きわめて高性能でしかも大容量のマイコンが今日では得られるようになってきている.この時期に検査室でのマイコン利用法について述べることは,誠に意義あることであろう.
検査室でのマイコンの利用法には,1)データ解析,すなわち精度管理,集積データ,平均,分散,相関,回帰式などの業務に利用する.2)データ処理,すなわち分析機器からデータを直接オンラインあるいはオフラインでの入力処理や手作業の入力処理などの業務に利用する.3)各種台帳業務とシステム,つまり,各種演算結果と受付台帳との合理的な結合によって,報告書作成などを含めた1つのシステムの中核にマイコンを利用する,などの方法が考えられる.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.