マスターしよう基本操作
HBs陽性,また可能性のある試料の扱い方
吉原 なみ子
1
1国立予防衛生研究所HB抗原室
pp.361-368
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202743
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一般的に,検査室への依頼検体はあらかじめHB抗原が陽性であるか否かはわかっていない場合が多い.したがってすべての血液,血清,分泌物などがHB陽性であると考えて取り扱うべきである.HB抗原の感染は主に輸血など血液を介してであるが,皮膚の刺傷,切創,口腔,眼,気道などからの感染の可能性もある.気道感染は検体を振ったとき,ホモジェナイザーやビンを開けるとき,ピペットを口で吸ったり吹き出すとき,遠沈中に試験管が破砕したときなど起こりやすい.当然ながら,検査室その他感染の可能性のあるところでの喫煙,飲食は禁止する.検査中の手袋の常時使用は検体の取り扱いや操作上困難であるので,必要時(例えば劇症肝炎の血液など)ディスポの手袋をはめる.手指など汚染した場合,ただちに仕事を中断しても石けんと水で十分過ぎるぐらい洗う.白衣や床に付着した場合も,次亜塩素剤で処置し,その後水洗いする.ここでは現在,わが国のHB検査の90%以上を占めているRPHAの手順に従って解説する.
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