けんさ質問箱
HBs抗原陽性血液の感染力の相違
三田村 圭二
1
,
H子
1東大医科学研究所感染症研究部
pp.1502
発行日 1988年12月1日
Published Date 1988/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205542
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問 HBs抗原(+),-s抗体(-),-e抗原(-),-e抗体(+)の感染能力は低いといわれていますが,まったくないわけではないから注意する必要があると思います.どのような点に注意すればよいのでしょうか. (岐阜・H子)
答 B型肝炎ウイルス(HBV)感染者あるいはHBs抗原陽性血液は,HBe抗原陽性かHBe抗体陽性のいずれかに大別されます.急性HBV感染ではその初期にHBe抗原が出現し,回復期以降はHBe抗体が陽性となります.HBVキャリアでは,その個々の例では,キャリア状態成立後,若年齢期にはHBe抗原が陽性で,次いで転換(seroconversion)が起こって,HBe抗体陽性となり,通常そのまま経過します.
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