けんさアラカルト
検査過誤にご用心1—検査過誤の実態
石橋 みどり
1
1慶大病院中検臨床化学
pp.267-268
発行日 1983年3月1日
Published Date 1983/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202721
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臨床検査の分析データに対する精度管理は,各施設でX-R管理をはじめ,様々な管理法が用いられ,また,最近ではコンピュータの導入により,システマティックな管理が行われて,その成果をあげている.しかし,個々の検査データが,"真のデータ"つまり検査時点の患者の生体状況を正しく反映したものとなるには,分析機から打ち出された値に対する精度管理だけでは不十分で,患者の採血段階から,最終的に返却された報告書が,その患者のカルテに貼られるまでの総合的な精度管理が行われなければならないのではないだろうか.
検査過誤――その発生は偶発的で,かつ,しばしば緻密な系統的データ管理のワクから漏れてしまうやっかい者であるが,それゆえに,ときとして患者の治療処置行為に直接影響を及ぼす事故になりかねない.
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