検査を築いた人びと
核物理学の道を招いた エンリーコ・フェルミ
酒井 シヅ
1
1順天堂大学医史学
pp.1086
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202654
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ジュリオ・キューリ夫妻が1933年に元素にα粒子を照射して人工ラジオアイソトープを発見したが,その発見を知ったイタリアの物理学者フェルミはα粒子を中性子に変えて元素に照射した.その結果,新しい人工ラジオアイソトープが容易に得られるようになった.その中の32P,128Iは直ちに医学や生物学の分野に応用されたが,いまやアイソトープは化学的あるいは物理学的トレーサーとして代謝疾患,内分泌疾患の診断や,消化吸収機能など臓器の機能検査に欠くべからざる手段となっている.
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