連載 皮膚科医と写真撮影・2
臨床写真の撮り方(1)
木村 俊次
1
1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
pp.368
発行日 1992年4月1日
Published Date 1992/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900590
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診療の合間の写真撮影は写真館のような形で行うのは不便かつ無理であり,ストロボによる撮影を行うことになる.ストロボの色温度は6000ケルビン前後で,太陽光と同様の昼光型光源であり,昼光用のリバーサルフィルムを用いる.ASAまたはISOは100でよく,メーカーも問わない.ストロボは最近ではカメラレンズの周囲に環状に管球のついたものが主体となっており,実際この形のものが,平面的ではない皮膚面や口腔内などの陥凹部の撮影に適している.メーカーによっては多灯発光で陰影のない均一な明るさを,一灯発光で陰影のついた立体感を得られるものがある.カメラ自体については最近のものはほとんど自動化され,焦点のみ合わせればよいようになっているが,全景や陥凹部などで出来上がりのスライドが暗い場合には,カメラのASAやISOをフィルムのそれよりも1ランク低く設定するとよい.カメラの扱いは取扱説明書をよく読んでおく.ホコリと湿気には十分注意する必要がある.
撮影については,生ま身で病変をもった患者さんを対象とすることから,そこにはおのずから必要な手順がある.
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