技術講座 検体の取り扱いと保存
病理検査
井上 和秋
1
1北海道大学病院病理部
pp.829-832
発行日 1980年10月1日
Published Date 1980/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202142
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最近,臨床病理特に外科病理の分野が重要視され,従来から言われてきた基礎学科である病理学の一部門としての人体病理ではなく,一つの臨床科として考えられるようになってきた.病理検査成績は単なるデータではなく,診断そのものである.それ故に,より正確に診断するために検体は"生"のままで,採取された検体すべてを病理医にゆだねる必要がある.欧米においては,患者の体から切り離された瞬間から,その検体はすべて病理医の管理下におかれ,手術した外科医による切開すら許されない程である.
本稿では,手術室で得られる"生"の検体を対象として,その取り扱いについて述べる.但し各検索方法の手技については,その順序を簡単に図示するだけにとどめ,詳しくは各専門書を参照していただきたい.
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