今月の主題 電気泳動の進歩
技術解説
電気泳動によるリポ蛋白—脂質の分別定量法
浦田 武義
1
,
櫻林 郁之介
2
,
河合 忠
2
1日本商事(株)企画課
2自治医科大学・臨床病理
pp.871-880
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915189
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近年リポ蛋白の研究は目覚ましく,特にHDL-コレステロールに関する研究は種々の面から注目を浴びている.しかしリポ蛋白代謝の面から考えると,HDL中のコレステロールばかりでなく,他のリポ蛋白(LDL, VLDL)中のコレステロールも同時に測定することが必要であろう.また脂質の面からみると,各リポ蛋白中のコレステロール以外の脂質,すなわちトリグリセリドやリン脂質についても同様に測定する方法が開発されれば,更にリポ蛋白代謝に関する知見は倍加するに違いない.
このように電気泳動による各脂質分画法の特徴は,"HDL, VLDL, LDLの全体にわたり各脂質の分布状態の変化を質的に,かつ定量的に俯瞰できる"ことにある.
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